んoon(ふーん)は、2014年に結成された日本のバンドです。そのユニークなバンド名は、日本語の感嘆詞「ふーん」(発音アクセントは「不運」と同じ)に由来し、「ん」は”h”を表すとともに、ハープのアウトラインも意味しているそうです。ジャンルを明確にカテゴライズすることなく、その境界面で揺れ動くような独自の音楽性を追求しています。
バンドの成り立ちとメンバー
んoonは、当初ハープ、ベース、キーボードのインストゥルメンタル編成でスタートしました。その後、2016年にボーカルのJC、そしてサポートパーカッションが加わり、現在の体制になりました。
主要メンバーは以下の通りです。
- JC (ボーカル)
- 積島直人 (ベース)
- 江頭健作 (キーボード)
- ウエスユウコ (ハープ)
各メンバーが、それぞれの直感とアイデアを持ち寄り、セッションを重ねて楽曲を作り上げています。固定された中心を持たず、メンバー全員が欲望のままに音楽を共作することで、流動的で闘争的な音像を編み出しているのが特徴です。
多彩な音楽性を内包するサウンド
んoonの音楽は、「オルタナティブR&B」「ネオソウル」「ジャズ」などと評されることが多いですが、特定のジャンルに留まることなく、ノイズ、フリージャズ、ヒップホップ、ソウル、パンク、エレクトロなど、様々な音楽のエッセンスを不気味に、そして独創的に取り入れています。ボーカルJCのメロウな歌声が、シリアスでありながら変拍子や転調を多用する楽器隊のサウンドを優しくまとめ上げ、独特の浮遊感と中毒性のある世界観を創り出しています。
主な作品とライブ活動
2018年に1st EP『FREEWAY』をリリースして以来、早耳の音楽リスナーやミュージシャンの間で瞬く間に注目を集めました。ボーカルJCがポストロックバンドtoeのアルバムに客演参加したことも、彼らの知名度を大きく広げるきっかけとなりました。
これまでに『Body』、『Jargon』といったEPや、リミックスアルバム『Hoajao』をリリース。2024年には待望の1stフルアルバム『FIRST LOVE』を発表し、話題を集めています。特に、ラッパーのvalkneeを迎えた「Lobby」や、ACE COOLをフィーチャーした「Forest」などは、彼らの多様なコラボレーションの一端を示す楽曲です。
FUJI ROCK FESTIVALやGEZAN主催の「全感覚祭」、森、道、市場といった国内の大型フェスにも出演するなど、精力的にライブ活動を行っています。ライブでは、音源よりもヘヴィでラウドな出音で、即興的な要素も交えながら、観客を巻き込む熱いパフォーマンスを見せています。
また、楽曲のミュージックビデオはメディアアーティストの谷口暁彦が一貫してディレクションしており、その視覚表現もんoonの世界観を形作る重要な要素となっています。各メンバーは、GEZANやTENDRE、鈴木真海子(Chelmico)など、日本の音楽シーンの様々なアーティストのレコーディングやプロデュース、リミックスワークも手がけており、ジャンルを超えた活動を展開しています。
んoonは、既成概念にとらわれない自由な発想と、高い演奏技術で、常に新しい音の可能性を探求し続けている、目が離せないバンドです。
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